6年生・平和学習
2019年5月9日 19時26分今月22・23日にある修学旅行に向けて、6年生は平和学習に取り組んでいます。今日は5・6時間
目に、人権擁護委員の伊藤先生、柳川先生、荒井先生をお招きしてお話を伺いました。
始めに児童の代表があいさつをした後、白石先生が講師の先生の紹介をしました。その後、伊藤先生が
人権擁護委員の活動や児童の啓発活動への参加、SOSミニレターについて話してくださいました。
続いて、荒井先生が原爆のお話をしてくださいました。荒井先生は広島県のご出身で、原爆が落ちたの
は赤ん坊の頃で、爆心地から離れた場所にいて被爆は免れたそうです。幼い頃から、広島の復興を身近で
見てきて、たくさんの人から話を聞いて、戦争は人権侵害の最たるものだと話されました。
お話の中で、荒井先生は「禎子さん」について触れられました。禎子さんはとても元気で運動が得意な
子どもでしたが、被爆して10年後に白血病を発症して、わずか12歳でこの世を去りました。1年間の闘病
生活では「痛い」とか「苦しい」とか絶対に口にせず、同級生がお見舞いに来たときには、明るく元気に
振る舞っていたそうです。そして人から聞いた「鶴を千羽折れば願いがかなう」という話を信じて、毎日
鶴を折り続けたそうです。しかしその願いは虚しいものとなりました。禎子さんの訃報を聞いた同級生は、
とてもショックを受けて、何もできなかった自分たちを悔やんだそうです。同級生は皆で話して、原爆で
犠牲になった子どもたちのために像を造ろうと運動を始めました。それが大きな反響を呼び、全国の子ど
もを中心にたくさんの募金が集まり、禎子さんが亡くなった2年後に「原爆の子の像」が完成しました。
上の写真は禎子さんが実際に折った鶴です。原爆資料館で見ることができます。荒井先生は、西条市の
依頼を受けて、アメリカの高校生にこの話をしに行ったそうです。アメリカでは原爆は戦争を終わらせる
ために落としたものと肯定的に教えられていて、原爆の真実を知った高校生は感動して、折り鶴をもって
広島を訪れたり、荒井先生に折り鶴を送ってくれたりしたそうです。
荒井先生は、プロ野球の「広島カープ」は、広島に元気を取り戻そう、広島の子どもに夢を与えようと
広島市民が作ったのだと話してくださいました。広島市民の熱烈なカープ愛には、このような背景がある
のですね。荒井先生のお話を聞いて、大勢の子どもが感想を言いました。最後に児童の代表がお礼の言葉
を述べて、全員で荒井先生にお礼を言いました。とても勉強になる、すばらしいお話でした。